本作は新撰組の中に主人公である女の子が自分の兄の仇討ちの目的で男装して潜り込み、その後1人の武士として成長し、また当初から招待を見抜いていた沖田総司に恋をする様子を描いたファンタジーである。主人公が本来の歴史には存在しないので歴史が好きな人からするとあまり好かれない作品と思われてしまうかもしれないが、叙述は全て豊富な参考文献によって歴史に忠実に描かれている。それゆえ歴史好きの人でも違和感なく読めるところが魅力の一つだろう。そして各キャラクターの人間性も上手く個性を掴んでおり、読んでいるとつい感情移入してしまう。史実として知っていて結果が分かっている場面であっても、丁寧に描写されたキャラクター達の心理描写によって思わず涙を流してしまうことも多々あった。現在は40巻を超える長作となっているが、基本は漫画なので読むのにそこまで時間はかからずこれから読む人でも追いつけないということはない。主人公が少女ゆえに正体に気づいた他の隊員達が主人公に恋をする場面などもあるのだが、こちらは史実にないので完全にファンタジーとなっている。この部分は少女漫画要素として楽しめるが基本が史実に忠実なため少女漫画に興味のない人でも、そういう場面もありそうだなあと楽しめるだろう。少女漫画好きはもちろん、胸キュン場面も多くあるのでそれ目当てに読んでも面白い作品である。おすすめ⇒淫欲の棲家